茨城大学工学部情報工学科 上田研究室



ソフトウェア工学に関する研究テーマ



次代のソフトウェア産業を担うのは情報工学科を卒業する君たちのはずです. ソフトウェア工学分野を研究テーマとする上田研究室で,ソフトウェア開発の 諸問題に取り組んでみませんか?

 主な研究テーマ


研究テーマとその内容

 
プロトタイピング指向の言語処理系の開発

[概要] オブジェクト指向プロトタイピング環境の構築を目的とし,開発対象のシステムをモデルとして捉え,モデルやそのモデル記述言語を記述するためのインタプリタ言語の処理系を開発します.
[適性] オブジェクト指向やソフトウェアモデリングに興味があり,実際に処理系を作ってみたいという意気込みのある人に向いています.
[分野] 分散オブジェクト,言語処理系

 
メタ階層アーキテクチャによるモデリング環境の構築

[概要] システムの視覚的なモデル記述・シミュレーション実行のためのツールをシステムの構成要素に関する定義から生成するための環境としてオブジェクト指向をベースとした基盤機構を構築します. この基盤機構の環境では,システムの階層的な記述や構成要素の再利用方法をサポートし,効率的なプロトタイピングを行うためのアーキテクチャを探求します.
[適性] ソフトウェア開発方法およびオブジェクト指向に興味があり,メタ階層を理解するための論理的思考を好む人に向いています.
[分野] ソフトウェアアーキテクチャ,開発支援環境,オブジェクト指向

 
ソフトシステム方法論に基づくソフトウェア開発法

[概要] ソフトシステム方法論は,人間をも含めた協調システムが改善という目的を達成するための手順を定める方法論です.この方法論をドメイン分析やソフトウェア開発に適用することで, これらの分析に欠かせない人間の協同活動を考慮し,再利用可能なプロダクトだけでなくプロセスも生成しようというものです.これにより,従来の方法を拡張したドメイン分析法やソフトウェア開発法を探求します.
[適性] 人間の協調活動や思考活動に興味があり,調査/分析的研究を希望する 人に向いています.
[分野] 開発方法論,ドメイン分析法,情報システム

 
ソフトウェアリポジトリの構築

[概要] ソフトウェア開発をコンピュータで支援するには,開発対象のプロダクツやドキュメント,開発支援ツール,プロジェクト管理情報などの様々なものを関係付けて保存・管理する必要があります.このためのデータベースをソフトウェアリポジトリと呼びますが,このリポジトリの善し悪しがソフトウェアの開発効率を決めてしまうと言っても過言ではありません.本研究室の開発方法論や開発環境のためのリポジトリを構築します.
[適性] 実践的ソフトウェア開発環境に興味があり,ツール開発を希望する人に向いています.
[特徴] リポジトリ,イントラネット,開発支援環境

 
オブジェクト指向メトリクス

[概要] オブジェクト指向によるソフトウェア開発では,従来のソフトウェア開発で指標となったメトリクスがそのまま有効に利用できるわけではありません.オブジェクト指向開発に適したメトリクスの探求と,そのメトリクスによるソフトウェアコストモデルの開発を目指します.これにより,オブジェクト指向開発の種々の見積りを可能にしたいと考えます.
[適性] 実際のソフトウェア開発に興味があり,調査/分析的研究を希望する人に向いています.
[特徴] メトリクス,コストモデル,開発管理

 
メタ階層アーキテクチャ&モデル記述言語の形式化

[概要] 先の2つの研究テーマである「メタ階層アーキテクチャのモデリング」や「モデル記述言語」の形式化を行います.これにより,自己記述性と検証性を持たせることを目指します.
[適性] 体系的・抽象的システム作りに興味があり,論理的思考を得意とする人に向いています.
[分野] ソフトウェアアーキテクチャ,言語処理系,形式的記述

 
システム開発メモRich-Pictureの電子文書化

[概要] システム開発において,人は様々なメモを書き残しますが,それを電子化資料として残すことはなかなか行われません.これらのメモにこそ,有用な情報が詰っており,これを再利用できるよう電子化しておくことは有益です.この研究では,文字や図形などが書かれたメモをできるだけ電子化し,再利用できる形態に移し替えるかといったことを研究し,支援ツールを開発します.
[適性] パターン認識や知識処理に興味があり,ツール開発を希望する人に向いています.
[分野] ドキュメンテーション技術,パターン認識,開発支援ツール

 
諸君自身が提案するソフトウェア工学に関連する研究

[解説] 前述した研究テーマ以外でも,諸君自身が提案するテーマがソフトウェア工学の範疇に入りそうなものなら,そのテーマで研究してもらっても構いません.但し,ある程度,見通しを立てたものであることが望まれますので,事前に連絡してください.


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Copyright: Yoshikazu Ueda, 1999