茨城大学工学部情報工学科 上田研究室

研究室選択のための調査観点と行動手順



1.はじめに

 研究室を選択するにあたって考えなければならないことはたくさんある.ここでは,どのような点に着目すべきかを考えてみよう.

2.研究室選択の調査観点

 研究室選択にあたり,まず第一に着目するのは当然各研究室の研究テーマであるが,研究テーマ以外にも着目すべき点がある.ここでは,それらについて考えてみよう.

2.1 研究テーマ
 各研究室は幾つかの纏まった研究テーマを持っており,自分がやりたいと考えているテーマに最も近い研究テーマを探すことである.各教官の研究分野を担当科目から判断しがちであるが,必ずしも対応している訳ではない.教官によっては研究テーマと全く関係ない科目を担当される場合があるので,担当科目から判断するのは間違いである.

2.2 計算機設備
 当学科の学生諸君の中には,是非あのマシンを使ってみたいといったマシンにこだわりのある者もいるだろう.確かに,同じ使うなら高能力で高速なものが望ましいし,特定の研究室でないと使えないマシンもある.研究室にどのようなマシンがあるのか調べるべきである.

2.3 人的環境
 研究室にどんな人がいるのか,コミュニケーションを気にしないわけにはいかない。指導教官がいるのは当然として,院生が少なからず所属している.彼らは研究進行や日常生活において大いに頼りになる存在である.確認しておくべきだろう.

2.4 研究の進め方
 研究室によって研究の進め方も様々である.自分の性格を見極めた上で,放任式,スパルタ式,ノルマ式等のいずれの方式が合っているか適性を考えるべきである.特に,ゼミの内容と頻度は重要な因子となるだろう.

2.5 研究室の環境
 研究室は自分が日常的に生活する場になるのだから,広さや雰囲気は気になる点である.自分の好みに合ったところを探そう.

3.研究室選択の行動手順

 先に5つの調査観点を上げたが,各自の方針で優先順位付けておくべきである.希望を全て満たす研究室の選択は難しいからである.
 次に,研究室を訪問し,情報を収集する.直接,教官に尋ねるのも大切だが,先輩からの情報は飾りのない生の情報として価値があるので,先輩に尋ねることを忘れてはならない.
 更に,友人同志で情報交換しておくべきである.折角,希望研究室を決めても希望者多数で入れなければ意味がない.リスクを軽減する策は,互いに情報を交換する以外にない.学生諸君の間で,自己調整機能が働く状況を作り出しておこう.
 最後に,最終判断は自身で行うこと.そのためにも行動を起こさなければ情報は得られないということを付け加えておく.

4.おわりに

 今回,諸君ができるだけ希望の研究室に配属されることを願って,研究室選択の調査観点と行動手順について述べてみた.この内容について質問や意見等のある学生諸君は是非知らせてほしい.
 この選択手順に従った上で,上田研究室を第一希望に選んでもらえたなら,光栄の至りである.

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Copyright: Yoshikazu Ueda, 1999